2021-01-01から1年間の記事一覧
四方田犬彦が東大で出会った「先生」である由良君美(きみよし)との話をつづった本。四方田犬彦は、由良のゼミに入って何を学んだのか。学生当時の思い出話にとどまらない。四方田が批評家になってからも交流は続くが、ある出来事によって二人は疎遠になる…
・日本へ来るまでの過程。経済的要因の分析。あと、出身地は韓国の南部に多い。 姜(在彦) だから強制連行の始まる一九三八年までは、二つの要因があるわけです。ひとつは、朝鮮人が日本だけではなくて中国東北部とシベリアに流れていく、海外流民を排出し…
大阪で大空襲に遭う (不幸のみ平等) ただいまご紹介にあずかりましたソ・ヨンダル、徐龍達と書きましてソ・ヨンダルと読むのです。 大阪弁でソーヨンダルというふうに覚えてもらったらいいかと思います。 覚えやすい名前ですのでよろしくお願いします。 浪速…
そもそもミールでは、週二回の授業を受けるだけでも、かなり大変である。 授業中の緊張もさることながら、予習と復習をしっかりおこなうには、授業のない日も、家で毎日のように勉強しなければならない。かつて非常に熱心な生徒が、二クラス並行して、つまり…
「妹はこのあたり一帯が火の海になった時、そこをくぐりぬけて逃げてきたとです」 「火の海?」 「原爆の時のことです。あれは城山の母の実家に、妹と弟と一緒に帰っておりましてね。そこで被爆しました」 「いくつの頃なのですか」 「あれは、まだ七つで、下…
「記録は、一時の出来事を永遠なものにすることができる。記録は、世の片隅の出来事を、全体のものにすることができる。記録は、名もなき人の行為を、人類に結びつけることもできる。記録のみが、消えゆくものを不死なものにする。記録すれば沈黙しない。だ…
ニーチェの『道徳の系譜学』から、ポイントと思ったところを抜き出していきます。中山元さんの訳は読みやすいので、ぜひ読んでみてください。 道徳の系譜学 (光文社古典新訳文庫) 目次 第一論文「善と悪」と「良いと悪い」 第二論文 「罪」 「疚しい良心」お…
ドリス種族によってたてられた都市アクラガスの哲学者、エムペドクレスは、飲み会で野暮なことをする輩にキレる。 彼は多くの人々といっしょにある家の酒宴に招待せられた。食事はだいぶすすんだが、いっこうに酒が出ない。他の客人たちはおとなしく手と口と…
古代ギリシアの哲学的詩人、クセノパネスのオリンピック批判。現代にも通じる。 ゼウスの神域がピサの泉の畔にあるところ、オリュンピアにて、足の速さで、あるいは五種目競技で、あるいは角力で勝利を獲たなら、あるいはまた、痛い拳闘を したり、パンクラ…
フーコーの本 言葉と物〈新装版〉: 人文科学の考古学 監獄の誕生<新装版> : 監視と処罰 フーコー・コレクション〈6〉生政治・統治 (ちくま学芸文庫) フーコー・コレクション〈4〉権力・監禁 (ちくま学芸文庫) ピエール・リヴィエール---殺人・狂気・エクリチ…
前回からの続き。そう、フーコーの書いた「真理と裁判形態」を読んでいて、ローマ法とゲルマン法を比較しながら真理のあり方を論じるくだりがすぱっと理解できずに、法思想の概説書でそれらを勉強してみようと思ったのだった。 法思想の水脈 2講 ローマ法の…
www.kinokuniya.co.jp 第1講 古代ギリシアの正義論 Ⅰ 徳としての正義 ・古代ギリシア人にとって、徳とはそれをもつ主体を他よりも優れたものにする性質 ・徳:勇気、節制、正義 Ⅱ ソクラテス 1 ソフィストとソクラテス ・民主制がアテナイで確立:くじ引き…
フーコーの読書と並行しながら、高校世界史を復習している。フーコーの本の中では、ローマ法やゲルマン法がよく出てくるし、古代ヨーロッパへの言及も多いから。それに今読んでいる『フーコーコレクション6』には法哲学的な内容も多いので、それならと、法…
井上達夫の論考からの引用。 五輪、危うい政治の願望思考 井上達夫・東大名誉教授に聞く:朝日新聞デジタル 答責性の本質を探っていくと、僕が長年研究してきた正義の概念と、深いかかわりがある。正義は、自己の権力欲や他者へのバッシングを合理化するイデ…
ピンク映画の巨匠・城定秀夫監督のサイコサスペンス。 家庭教師役の湊莉久が、家庭教師先の姉弟に監禁されてからは舞台がほとんど動かない。それでも、一軒の家の中で複雑に蠢く情愛と歪みをこれだけ描き切るのだから、やはりこの監督の力量は普通じゃない。…
静かな演出の中に、2001年の韓国の女の子たちが抱える現実が凝縮されている。ものすごいリアリティーをもった作品。傑作です。 『サニー』を連想しやすいですが、僕は『ゴースト・ワールド』を連想しました。とても「痛い」話ですが、こういう青春映画はずっ…
光州事件を描いてるということで見たけど、それだけ知りたいならタクシー運転手見たほうがいい。この映画は、光州事件、というか内戦に巻き込まれた人間のPTSDを描いているのかなと思った。暴力を行使してしまい、それを糊塗するためにさらに陰湿な暴力に巻…
multimedia.scmp.com このサイトすごくわかりやすい。ほか、わかりやすいサイトとかあれば、ここに随時集めていこうかなと。
MOOC授業の「データジャーナリズム」のリーディング教材からいくつか抜き出して訳します。これが無料って、すごい。 www.americanpressinstitute.org データジャーナリズムって、そもそもなに Data is essential to making the journalism of today stronger…
2020年、「データジャーナリズム元年」への期待と懸念:日経ビジネス電子版 むしろ20年以降は、データから得た「気づき」を足・目・肌で裏付ける必要性がますます高まっていくと感じています。すでに海外では先行事例が多数出ています。 20年が、データと報…
BBCにおけるデータ・ジャーナリズム - データ・ジャーナリズム・ハンドブック しかし、データ・ジャーナリズムは、他の誰も気づいていない特ダネである必要はない。データ・ビジュアライゼーションのチームの仕事は、読者に説得力のある体験をさせるために、…
データ・ジャーナリズムの展望 - データ・ジャーナリズム・ハンドブック 1970年代初期、「社会科学や行動科学の研究手法をジャーナリズムの実践に応用する」取材方法を表現するのに「精度ジャーナリズム(precision journalism)」という言葉が発明された。…