Hooney Got His Pen

映画の感想と勉強日記

必要十分な記述

 11月に出る学会誌に掲載される原稿のゲラが上がってきた。感慨深い。ようやくここまできた。昨年末から書き始めて、10ヶ月くらいかかった。
 学会誌の査読論文は、本当に査読が厳しくて、プロの研究者というのはこういう水準が求められるのだとすごく勉強になった。学びがめちゃくちゃ多かった。
 当たり前かもしれないが、「必要十分な記述」が求められるのである。論文として必要な要素はもちろん全部入れるし、ただ入れるだけではダメで、十分な記述をしないといけない。深い背景知識も要求されるし、いろんな研究への目配りも必要とされる。
 プロの研究者から見た「必要十分な記述」というのは、すごくレベルが高いのだ。これはなかなかクリアできなかった。三回の査読を要した。根気強く査読してくれた査読者には感謝しかない。自分がいつか査読者になったら、こういう粘り強い対応をしたいと思った。
 査読に対応する中で、自分で言うのもなんだが、論文は見違えるほど改善された。重要な指摘をいくつもしてもらったから、それに沿って記述を修正したら、すごくよくなったのだ。これは自分でも驚いた。査読というものは、学術的な水準を保つうえで必須なのだと理解した。学術的な活動をするうえで、査読という制度は最重要だと思った。
 とはいえ、査読論文を一本出すのはかなり大変だとも分かった。1年に1本書けたらかなりいい方だし、というか、けっこう頑張っても2年に1本くらいが限度だと思う。いまは博士課程にいて、研究の時間が確保できるからもう少し頑張れるけど。
 調査開始から1本の査読論文になるまでは2年くらいやはりかかっているので、そんなものだと思う。というか、2年で書けたのはかなりいい方だろう。よく頑張ったと思う。
 これで査読論文は二本目。学会誌は初めて。すごくいい経験になった。
 今年の目標は、あと1本投稿すること。9月末締切の社会学系雑誌に投稿したいと考えている。いま三分の二くらいは書けたので、引き続き頑張りたい。