Hooney Got His Pen

映画の感想と勉強日記

大学講師

 会社を辞め、大学業界に転身して心からよかったと思います。 いま、韓国語を非常勤講師として教えていて、すごく楽しいです。 目の前の学生にどうやったら韓国語を好きになってもらえるか、 言葉の勉強を通して、 朝鮮半島の文化や社会をどうやったら知ってもらえるか。 それを考えて実行してみると、いろいろな反応がある。 良い反応があればもちろん嬉しいし、 あまり反応がなければ次に活かせばいいと思っている。
 1年間いろいろ試してみて、 この子にはこうやったら伝わるなとか、 この子はこの方向で能力を伸ばしていってもらおうとか、 個別対応ができるようになりました。 15人とかの少人数クラスなので可能なのですが。 これ以上はちょっと教えられないなと思います。だから、 100人とかの授業をやらないといけない大学では働きたくないな 、と思います。
 1年やってみたら、いろんなことが分かりました。 相手に伝わる方法で言葉を選ばないと、 何の意味もないってことがよく分かりました。 たしかに精一杯やってダメなときはあるんですが、 それは韓国語学習とその学生のマッチングの問題なので、 仕方ないと思っています。 そこはいい意味で開き直ることができました。
 半期で15回の授業、1年間で30回の授業ですから、 合計で45時間ですね。45時間もあれば、 それなりのことは伝えられます。 自分がこれまで韓国語を学習してきた中で得た方法論のエッセンス は、ある程度伝えられたと思います。
 方法論といっても、シンプルです。 教科書の本文を丸暗記すること。 ディクテーションを取り入れること。 文章をとにかく音読すること。教科書の通りの意味で、 単語を暗記すること。語学学習なので、 こういったシンプルな方法が、 やっぱり一番効果があるのですよね。
 あとは、素朴な疑問を大事にすることです。「 この言葉とこの言葉はどう違うんだろう」とか、「 この言い回しはなんでこうなるんだろう」とか。 学生からそういう質問をもらったら、全力で文法書や辞書、 用語集なんかを使って調べて、回答します。 非常に重要な点を指摘されていると感じるからです。 この点は学生から教えられることが多くありました。
 これはよく言われることかもしれませんが、 教える中で自分も学ぶし、 というか自分がもっと勉強しているんじゃないかと感じます。 初級や中級でも、説明するにはけっこう難しいことがあるし、 初学者への説明には特に頭を使います。伝え方を必死で考えます。 うまく伝わればやっぱり嬉しいですね。
 大学の先生業は楽しいです。長く続けられそうです。 転職してよかったです。