大学院の授業。修士の学生の発表。先行研究について質問した。
「 この先行研究としてあげている修士論文は先行研究とすることがで きますか?」
他の人の修士論文は先行研究になり得ないと思う。でも、 先生によると、分野によって違うらしい。
質問というか、もう一つ話した。
「研究をどうやってやっていくかの話なんですが、 史料から始めるスタイルもありますが、 僕は先行研究から始めるスタイルです。 先行研究がどうなっているかを整理して、そこで足りないところ、 研究しないといけないところを見つける。 そのほうがいいと思ってます。もし仮に先行研究がないとしたら、 ない理由があるはずなので、 その理由も一度考えてみたほうがいいかもしれません」
これはまあ、研究スタイルの話。「先行研究がない」というのは、 研究を始めたての人にありがちな悩みだ。でも、絶対、 先行研究はあるのである。ないはずがない。 絶対誰かがやっている。というか、 誰かがちょっとやっていてくれないと、 その研究課題を進めることはやめたほうがいいと思う。
誰かがちょっとやってて、それがまだ足りなくて、それを補う。 それが研究だ。そういうストーリーに仕立てないと、 研究というのはあまり成り立たなくなる。だから、 先行研究をきちんと読むことから始めるのがいい。 これは強調したい。