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Hooney Got His Pen

映画の感想と勉強日記

寄生獣

SF 日本 映画
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テレビ版を観た。再編集されていた。
再編集版は、ミギー(阿部サダヲ)のチンタラした長い解説が付けられていて、しんどかった。

原作マンガがとにかく好きで、何度読み返したか分からないほど。高校生の時に友達に貸してもらって読んだ後、自分でも集めた。原作の方は、多くの人が言うように、それこそマンガ史を更新するような大傑作だと思う。
ファンとして、一応確認しとくべきかと思って観ましたが、まあそこそこでした。山崎貴だし、クソ映画かなと思っていましたが、そこまで悪くなかった。むしろ頑張ってました。脚本も手際よくまとめられていて好感。

めちゃくちゃ気になったところ
セリフの説明臭さ。近年の日本映画にはよくあるパターンとはいえ、これもか…という感じ。

そして、田宮玲子(深津絵里)が原作冒頭の有名なセリフ「ある日誰かが思った…」を言ったらいかんでしょう!あれは田宮玲子のセリフではないし(そんなことは把握しているだろうが)、誰でもない誰かの声でやるべきだ。重要な、核となるキーワードであることは間違いないが、話者を変えたらだめだ。田宮玲子が首謀者みたいになっちゃうし。これを言っているのは、誰でもない、あるいは何者でもない全体(?)の意思みたいなもの。原作には、そこに怖さがあるから。

キャストは良かった
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東出昌大は元々、表情に乏しいけど、そこがうまく生かされてた。島田秀雄役は適役。独特の無表情で気持ち悪い感じがよかった。

前編のラストシーン
「A」に頭を乗っ取られた母親との対決場面を、前編のクライマックスに持ってきている。そして、原作からは重大な変更をしている。映画では、母親は寄生されているにも関わらず、人間としての母性が抑えきれず、新一を攻撃する頭(?)を制御するのだ。そして、やけどの跡がある右手をクローズアップ。
ここはけっこうよかったです。賛否あると思いますが、良い改変でした。

原作の面白さ
原作が面白いのは、なんとなく笑ってしまうところ。岩明均の画力のなさ、というと失礼だけど、静止しているように見えてしまう画の特徴がパラサイトの描写にうまくあっているのだ。
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このシーンなんかは、グロテスクだけどなんか笑ってしまう。
「グロテスクとユーモアが一枚の画で一対になっている感覚がポイントで、それがちゃんと映画化されている」(大森望、『キネマ旬報』12月上旬号、p.25)
たしかに、うまく映像化されていた。
このキネマ旬報の号でも言われていたけど、漫画『寄生獣』が『ターミネーター2』にパクられたというのは有名な話。
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無表情で車を追うシーンとかも、もろパクリです(笑)でも、ハリウッドが映画化権を持っていたから大丈夫らしい。

そして、重要なのは
「人類と異物との価値観の相違をさんざん描いたあと、次に連続殺人鬼みたいな人間の中の異物を登場させる。むしろそっちの方が残酷じゃないかと、さらにもう一段相対化する方向に行きますね。」(大森望、同p.26)
この点である。そして、主人公は両者が混じっている中途半端な存在である。キネマ旬報同号でも指摘されているように、漫画『デビルマン』や映画『ブレードランナー』を思い出す。『デビルマン』では人間の方が残酷じゃないかと感じさせるし、『ブレードランナー』では人間よりも人間らしいレプリカントが登場し、無表情でロボットのように見える人間の主人公。境界があいまいなのだ。SFでしか描けない点であろう。

ただ、やはり…
ただ原作の方は、読んだら最後、読者を全く変えてしまうような作品ですが 映画の方はもちろんそんな作品ではなった。といっても、完結編を観ていないので、まだ結論付けるべきではないか。

まあ正直に言って、『寄生獣』は原作を読めばいいと思いましたけどね…。

寄生獣(1)

寄生獣(1)



原作が10だとしたら、映画は頑張って3くらいだと思う。

エログロ漫画の実写化
GANTZの時も思ったけど、エログロ漫画は大作映画として作るよりも、中規模な予算できちんとしたB級映画にしてほしいと思う。ファン的にはそっちが観たいです。寄生獣はやっぱりアメリカで作って欲しかった。
それか、三池崇史井口昇で。

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