Hooney Got His Pen

映画の感想と勉強日記

映画

おおかみこどもの雨と雪(2012年、細田守監督)

【映画短評】 この映画は寓話である。「おおかみ人間」という設定は、社会の中でマイノリティーであることを象徴している。 僕は、途中から息苦しくなってうまく見れなかった。けっこうエグい話だとおもう。こんな映画が広く受け入れられたというのは正直、…

映画 スノーデン 感想

Pathe cinema@オランダ 80点 社会派と言われるオリバー・ストーン監督らしい映画です。 監視されることの恐怖、情報管理社会の怖さを徹底的に描いています。 CIAが世界中のメール、Skype、Facebookなどをハッキングして管理していたのが、スノーデンの告発に…

2016上半期 オススメ映画ベスト10

まずは観賞記録から。 1月:7本 クリード チャンプを継ぐ男 戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ!FILE-01 恐怖降臨!コックリさん 戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ!FILE-02 暗黒奇譚!蛇女の怪 ストレイト・アウタ・コンプトン あの娘、早くババアになればいいのに …

モハメド・アリの伝記映画

町山さんの「たまむすび」を聴いて思い出した。モハメド・アリについて詳しく知ったのは、深夜にテレビでたまたまやっていた伝記映画を見たときだ。今調べてみると、ウィル・スミス主演の『ALI』(2001)という映画だ。カシアス・クレイ(アリの元々の名前)が世…

映画『ヤクザと憲法』 感想

話題作ということで観に行ってきました。客席が物々しかった…笑 平日の昼間から、立ち見まで満席。なかなかない劇場の雰囲気だった。「ヤクザと憲法」というテーマをどこまで掘り下げているのかは疑問でしたが。ヤクザの実態は普通見れないものなので、それ…

『ザ・ウォーク』 感想

映画『ザ・ウォーク』特別映像 2016年1月23日(土)公開 - YouTube良かったところ3つ、後悔を1つ挙げます。①予告編に良い意味で裏切られた予告編の通り、「世界貿易センタービルにワイヤーを繋いで、それを渡る話」といえばそれまでなんですが。でも、実はこ…

ブリッジ・オブ・スパイ 感想

あらすじ冷戦時代。アメリカ、ソ連でそれぞれ逮捕されたスパイを交換しあうということがあった。歴史的には、「スパイ交換をきっかけに、冷戦はデタント(雪解け)の時代に入る」というような解説がなされる。しかし、その裏にはアメリカ人弁護士ドノヴァンの…

あの娘、早くババアになればいいのに

【2014年公開】評価70分と短いし、予算の規模も考えると良いと思います。ストーリー自分の娘(微妙にややこしい設定あり)を「世界一のアイドル」に育て上げようとする父親。毎日夜は、父親と娘のレッスン。娘役の中村朝佳はかわいい。美人というわけではない…

2015年 映画 ベスト5

数えみると、2015年は映画を101本観ていました(7割は上半期に観たものですが)。そのうち新作は20本ほどですが、ベスト5を選んでみました。マッドマックス 怒りのデス・ロードシェフ 三ツ星フードトラック始めましたイミテーション・ゲーム エニグマと天才数…

小悪魔はなぜモテる?! easy A

エマ・ストーンのベストアクト。助演よりも、まさにこういう主演映画が観たい。「辛い時はユーモアで乗り越えるのよ」というお母さんのメッセージにやられた。それに茶目っ気たっぷりで応えるエマが最高。あと、エマ・ストーンは優しい。その優しさゆえに困…

サウダーヂ 【追記あり】

http://www.saudade-movie.comよくこんな映画が撮れたものだ。日本映画史の中でも重要な一本。点数はつけられない。あのシーンにははっきり嫌悪するが、それも含めて凄まじい映画だった。ちなみに、映画のテーマは「土方・移民・HIPHOP」。僕の知らない「郊…

羅生門

10か月前のレポート 『羅生門』と聞けば、言わずと知れた芥川龍之介の短編小説である。観賞前、映画も原作と同じ内容なのかと誤解していた。そして、驚いた。羅生門が重要な舞台となってはいるが、芥川の他の短編『藪の中』をベースにしているそうで、ストー…

バック・トゥ・ザ・フューチャーの日

古本屋で見つけたパンフレット。3だけど。 この映画は何十回も見た。英語セリフと日本語訳が付いたスクリーンプレイも買って読んだし、マイケル・J・フォックスの自伝『ラッキーマン』も読んだ。 『ラッキーマン』は、パーキンソン氏病と闘うマイケルを知れ…

ヴィンセントが教えてくれたこと

ストーリーはこちらを↓映画「ヴィンセントが教えてくれたこと」公式サイト » STORY要するに、偏屈なジイさんと心優しい少年が、交流を通して互いに成長していく話です。『菊次郎の夏』『グラン・トリノ』なんかを思い出した。もちろん、北野武、イーストウッ…

ライヴ(2014)

山田悠介原作だが…井口昇は最も信頼できる監督のひとり。本作は山田悠介原作だけど、侮るなかれ。なんと、「原作をヒントにしろ!」と言われた登場人物たちが、実際に原作を手にしながら行動していく。この前代未聞の原作映画、設定の時点でかなりおもしろい…

妻は告白する

初めに、本作で描かれる事件の概要を確認する。そして、若尾文子演じる主人公・彩子における身体的関係がもつ意味について考える。 『妻は告白する』は1961年の大映映画で、監督は増村保造。映画は先ず、法廷における裁判のシーンから始まる。若尾文子演じる…

【記録】上半期に観た映画たち

2015年1月〜7月 計70本(うち映画館で19本)○1月-10本ハナ 奇跡の46日間少女は自転車に乗ってそして父になるウルフ・オブ・ウォールストリートバッド・マイロ!ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ!エリックを探してバッド・チューニングクライム・チ…

卒業(1967)

最近はすっかり更新も滞っていました。ずっと忙しくて、映画をほとんど観れていない。『マッドマックス 怒りのデスロード』が最高だったので、そのブログも書こうかと思ったが、なんとも言葉にまとめきれない。なので、今回はたまたま観た「名作」の短い感想…

邦画オールタイムベスト10

桐島、部活やめるってよクレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲仁義なき戦い太陽を盗んだ男テレクラキャノンボール2013誰も知らない地獄でなぜ悪いパッチギ!天空の城 ラピュタ#邦画オールタイムベスト10

国際市場で逢いましょう

昨日、韓国映画『国際市場で逢いましょう』を観ました。韓国では超大ヒットしたようだけど、日本ではミニシアターで公開。前評判通り、めっちゃ泣いた。映画館では韓国人のオバちゃんが何人かいて、釜山訛りに笑っていたり、映画に出てくる固有名詞(韓国の歌…

スティング

ロバート・レッドフォードという名前は知っていたが、映画で観たことはなかった。スクリーンでの彼は、やんちゃで愛らしく惹きつけられる。一目見てその魅力が分かったし、「名優」と呼ばれる所以は観た後に分かった。 やんちゃ顔の彼は見た目通り、小気味の…

セッション Whiplash

町山智浩vs.菊池成孔のバトルで日本でも色々と話題の本作。いや、一部でか。論争の結果は町山氏が自身の誤りを認めるというものだったが、それはけっこう納得がいった。僕はジャズをあまり知らないけれど、ジャズをやってる人には気になるところはあるだろう…

寄生獣

テレビ版を観た。再編集されていた。再編集版は、ミギー(阿部サダヲ)のチンタラした長い解説が付けられていて、しんどかった。原作マンガがとにかく好きで、何度読み返したか分からないほど。高校生の時に友達に貸してもらって読んだ後、自分でも集めた。原…

僕のオススメ映画15選

①旅 『ライフ・アクアティック』(2005、アメリカ) ウェス・アンダーソンの映画はどれも面白いし、昨年の『グランド・ブタペスト・ホテル』も本当に素晴らしいが、僕はこれを推したい。オフビート演出にぴったりはまったビル・マーレイには終始笑ってしまう…

最近観た映画の覚え書き

『リトルダンサー』(2000.イギリス)午前十時の映画祭にて。いやはや、朝から泣かされてしまった。80年代イギリス、長引く不況と労働運動、そしてサッチャーの強硬な姿勢によって社会が二分されていく様がありありと描かれる。その中で少年は純粋にバレエに励…

アカデミー作品賞『バードマン』を観てきた。

日本版のポスターはダサいので、アメリカ版を。シンプルでいいポスターですね。アカデミー作品賞を受賞した本作。人によっては難解と思うかもしれないけど、ストーリー自体はいたってシンプル。シンプルな筋立てマイケル・キートン演じるかつてのスター俳優…

笠原和夫、幻の脚本『沖縄進撃作戦』

特定の映画の感想ではなく、未完?の映画あるいは脚本について。『世界臨時増刊号 沖縄』を読んでいると、なぜか井筒和幸の論考が載ってて、はてと思いながら読み進めて驚いた。あの「仁義なき戦い」の笠原和夫の映画化されていない幻の台本『沖縄進撃作戦』…

アレクセイ・ゲルマン『神々のたそがれ』

百年にわたる憤怒が生みだした人間性への徹底的懐疑は、恐ろしくも目を離せない壮絶な美に輝いている。(柳下毅一郎・映画評論家)http://digital.asahi.com/sp/articles/DA3S11674177.html上映は、2015.3/21〜各地で。大阪は九条にある「シネ・ヌーヴォ」に…

三池崇史『愛と誠』(2012) 感想

監督は三池崇史。あらすじ過去への復讐(ふくしゅう)を誓い、東京へやってきた不良の誠(妻夫木聡)。一方、東京で指折りの名家の一人娘である愛(武井咲)。出会うはずのない、生まれも育ちも違う2人が出会い、運命の恋がスタートする。しかし、彼女に好意…

イミテーション・ゲーム(2015)

誰も想像しない人が想像できない偉業をやってのける ―劇中のセリフより。 主演のベネディクト・カンバーバッチ、助演のキーラ・ナイトレイはアカデミー賞にノミネート。そして、脚本のグレアム・ムーアがアカデミー脚色賞を受賞した。 時は、第二次世界大戦…