Hooney Got His Pen

映画の感想と勉強日記

中学校の部活動と〈教育〉


教育社会学者の内田良さんの記事。いつも面白く勉強になる。今回の記事を読んでいろいろ思い出したので、メモ。


バスケ部だった、中2の夏の大会を思い出した。僕のチームは人数を揃えるのにも一苦労で、中1・中2だけで試合に臨んだ。前半の時点で大差がついてしまい勝負は決まってしまった。
が、相手チームは戦術を変えずに、選手交代を繰り返して最後まで異常なハイペースで点を取り続け、最終的に驚くような大差がついてしまった。中2ながら「何かおかしい」と思ったんですが、今思うと悪しき勝利至上主義というかなんというか。教育的に悪すぎると思ったし、実際に、何人か部員は辞めてしまった。相手チームの監督は、監督としてはよくても、教育者としては完全に失格だろう。

あと思い出すのは、他のチームで180センチくらいの中1で、ほとんど初心者なのに試合に出ていた選手。彼はリバウンドとゴール下のシュートだけ教えられて、試合に出されていた。彼は基本的に自陣のゴール下の敵のゴール下を往復するだけだったが、そんな彼がリバウンドをした後、ドリブルをしてボールを運ぼうとしたことがあった。
彼にしては初めてのプレイだったと思う。おぼつかないながらも、頑張ってドリブルをついていた。
その時、である。
彼のチームの監督が劣化のごとく怒り出し、「ドリブルするな!パスをしろ!」と連呼したのだ。彼は指示通りにパスをしたが、寂しげだったと記憶している。
これも、教育って呼べるんだろうか。勝利至上主義って、ほんとにいろいろダメにするよな。彼はバスケをしていても楽しくなさそうだった。




本を後ろから読む

大学の先生に直接そうしろと教わったわけではないが、政治学とくに歴史系の専門書は後ろから読むといいらしい。つまり、参考文献・史料一覧を見れば、大方その本の評価がわかるというのだ。もちろん、その域に達するにはかなりの前提知識が必要にはなるが、いろんな専門書の参考文献一覧を見ていると、それだけで勉強になることは多い。

「この分野だと、この本が必読文献なんだ」とか「なぜあの本には挙げられているけど、この本には挙げられていないのだろう」とか。もしくは、「堅そうな専門書でも、ジャーナリストが書いたノンフィクションとかも含まれているな」とか。挙げられている一般書を確認していくのも面白い。

もしくは、大学の授業などで紹介された教科書の参考文献一覧を見てもいいし、とくに「参考文献・解題」などはとても参考になることが多い。これらを見て文献リスト一覧でも作成して読み進めていけば、ある程度体系的な勉強ができると思う。「解題」が便利なのは、本の内容をあらかた紹介してくれているところ。それを参考にすれば、実際に読んでも内容が頭に入ってきやすいと思う。

 

以下、僕の関心のある分野で、とても勉強になった教科書・参考書を挙げておきます。有斐閣インサイトシリーズです。

冷戦 -- アメリカの民主主義的生活様式を守る戦い (有斐閣Insight)

冷戦 -- アメリカの民主主義的生活様式を守る戦い (有斐閣Insight)

 

 

 

外交 (有斐閣Insight)

外交 (有斐閣Insight)

 

 

ブラックジョーク

発表も討論もすべて英語で行われる、アメリカ外交史の授業中。

先生が「"War"と聞くと、どの戦争を連想しますか?」と学生に問いかけた。ちょうど第一次世界大戦の範囲だったし、ヨーロッパから来た学生も多いことから質問したのだと思う。

日本人学生は「Pacific War(太平洋戦争)」と答えた。オランダ人の学生は、第一次世界大戦はそもそも参加していないから連想のしようがない、と答えて、やはり「World War Ⅱ」だということだった。

アメリカ人学生の話が面白かった。それは世代による、私達の世代はやはり「War on terror(テロとの戦争)」だと。ベトナム戦争は親の世代らしい。あと、南北戦争のことはさすがに連想しないという。

もうひとり、シリアから来た女性がいた。彼女は、「私の国はずっと戦争しているわ。常に戦争よ。」と言って教室を沸かせた。このブラックジョーク、すぐには反応できなかった。笑っていいのやら、迷ってしまった。留学生たちはやはり反応がよく、みんな笑っていたが、僕はどんな顔をすればよいか困った顔になっていたと思う。

ブラックジョークを言うのも、コメディ映画のそれも好きだと思っていたけれど、いざ遭遇すると反応できないものです。