Hooney Got His Pen

映画の感想と勉強日記

最近買った本

 

安保論争 (ちくま新書)

安保論争 (ちくま新書)

 

 

  1. 細谷雄一『安保論争』(ちくま新書、2016年)
  2. 五百旗頭真中西寛編 『高坂正堯と戦後日本』(中央公論新社、2016年)
  3. 添谷芳秀『安全保障を問いなおす―「九条-安保体制」を越えて (NHKブックス No.1239)』(NHKブックス、2016年)
  4. 宮城大蔵・渡辺豪普天間・辺野古 歪められた二〇年 (集英社新書 831A)』(集英社新書、2016年)
  5. 宇野重規保守主義とは何か - 反フランス革命から現代日本まで (中公新書)』(中公新書、2016年)

これらを買いました。

ぱらぱらとめくってはいますが、じっくり読める時間がなかなかありませんね…。夏休みにまとめて読むつもりですが、細谷『安保論争』は取り急ぎ読んでみようかと思います。

ウェブ上で、「はじめに」が公開されていました。

覆い隠された真実|ちくま新書|webちくま

とても興味を惹かれますね。

 

発表

大学院の授業では、討論型のものが多い。一人が発表して、あとの残りの人が質問をぶつけつつ議論する、というタイプの授業である。ゼミ型といってもいいかもしれない。

ただ、ゼミであれば、参考文献や資料などはあらかじめ教員側から指定されることも多い。しかし、大学院におけるいくつかの授業では「テーマも自由、何やってもらってもけっこう」という場合がある。その場合、発表者の学生の実力がもろに出てしまう。たいては、面白く興味深いプレゼンが聞けるが、いくつかは頭を抱えてしまうものがある。

と言いながら、先週のある授業では頭を抱えさせてしまった。平たく言うと、プレゼンで失敗した。自分が発表者だったが、英語で書かれた文章を読むのに必死でまとめられなかったのである…。このような場合はやはり、原稿なりレジュメなりを作ってから臨まないといけない、という当たり前すぎる教訓を得た。目下、来週の発表分の原稿を作成中である。ただ、原稿を作るのにも利点があって、やはり考えがまとまるし、何よりスムーズに発表ができる。これも当たり前すぎるが、大事だなと改めて。

そういえば、先日ある授業ではなかなか大変な状況に陥った場面があった。発表者の彼が準備不足で、そのうえ内容的にも頭を抱えるようなものだったのだ。「ちょっとこれは…」と聞いているみんなが感じたので、みんな頻繁に質問していた。しかし、質問がいつのまにか批判に変わっていき、ピリピリした空気が充満していった。とても気まずくて、僕もなんとか空気を和らげようと言葉を選びながら質問したものの、その答えもよくわからないもので…。というつらい授業だった。

僕も失敗したときは、脂汗をだらだらかいていた。その発表者の彼も汗をかきまくっていた。個人的な印象だけど、留学生はとにかく打たれ強いと思う。先生に指摘をされても批判されても、とにかく議論していき、いいディスカッションにしてしまうのだ。一方、一般の学生は打たれ弱いというか、少し批判されると黙ってしまう場面が多いように思う。僕はそのタイプなのだが、どこかでこのマインドは変えないと、留学先でやっていけないように思う。

 

奇跡のレッスン〜世界の最強コーチと子どもたち〜バスケットボール編

とてもいいドキュメンタリーを見たので、その感想を書きます。NHK製作の「奇跡のレッスン バスケットボール編」です。



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NBA史上最低身長160cmながら、14年にも渡って活躍したマグジー・ボーグスが、東京のある中学校にやってきて1週間の臨時コーチをする。


部員11人の彼らは個性豊かだけど、少し抑圧的なコーチのもと(これは僕の感想です)、どこか自信なさげにプレーをしていた。怒られないように、怒られないようにするあまり、思い切ったプレーができていないのだ。しかも、楽しそうにバスケをしていない。練習中も声は少なく、元気なプレーもない。

それを見たマグジー・ボーグスは、「たのしもう!」と声をかける。そこで楽しそうな練習メニューを導入すると一転、彼らは笑いながら一生懸命取り組むようになる。根は真面目な生徒が多く、飲み込みも早い。

マグジー・ボーグスがコーチとして赴任して4日目、彼は選手たちにある作戦を提案する。学校名をとって、「ハクヨー作戦」。どんな特別な作戦だろう…と思ったがそれは、とても単純なものだった。スクリーンを使って外のプレイヤーをフリーにさせたあと、そのプレイヤーにパスをして3ポイントを狙う…というもので、最も基本的な作戦のひとつだろう。しかし、マグジー・ボーグスが教えると、それはミラクルな作戦となる。
例えば、パスをするふりをしてドリブルで切れ込む。シュートを打つふりをして、中にいるプレイヤーにパスをする、など。応用をどんどん効かせていき、選手たちの潜在能力を引き出していく。この時点で、初めは頼りなく見えたプレイヤー達が見違えるようにうまくなっている。彼らは即時に判断し、最適なオフェンスを選択できるようになった。

7日目、強豪校との練習試合が設定されていた。去年、1勝もできなかった相手に通用するのだろうか…。

と、まあこんな感じの話です。以下、感想を少し。

特によかったのは、選手たちの抱える悩みが次第に解決されていき、それが試合の中で完全に解消されること。クライマックスを強豪校との試合に持ってくる辺り、とてもドラマチックな構成です。
選手たちは本当に色々な悩みを抱えています。例えば、個々の選手たちは、自信がなくてシュートが打てない、ひ弱でとにかく自信がない、キャプテンだけどうまくまとめることができない…等。最後の試合に向けて、彼らの悩みは明かされていきます。実生活に密着したシーンも多く、感情移入してしまいます(個人的には、バスケ部に所属していた、自分の中学生の頃を思い出してしまいました)。

いざ試合になると、選手たちは見違えるプレーを連発します。
リバウンドをとっても仲間にパスしていた選手は、強引にシュートを打つようになる。
ひ弱だった小さな男の子は負傷を抱えつつも、相手に食らいつく(痛そうにしている彼に、マグジーボーグスが「お前は必要なんだ!(We need you!)」と励ますのですが、これには泣いちゃいました)。
そして、まとめることのできていなかったキャプテンはプレーで引っ張り、仲間に声をかけるようになる。とても頼もしく見えます。

選手たちが悩みを解決できたのは、マグジーボーグスの指導もありますが、NHKスタッフの取材力もあると思いました。選手たち自身や親への取材を通して、彼らが何に悩んでいるのかが明らかになってくるんです。そして、彼ら自身もそれを認識し、殻を破ろうと努力していく。これはやはり、丹念な取材がなせたワザかなと思います。

そして、やっぱり一番感動させられたのは最後の試合です。親御さんたちは大号泣で、さもありなんといった内容でした。めちゃくちゃいい試合で、応援に来ていた女バスの子たちも「初めてかっこよく見えた!」なんて言っていて、とても微笑ましかった。

プロデューサーの方自ら指摘しているように、まさにバスケ版『がんばれ!ベアーズ』(1976年のアメリカ映画)といった内容でした。『がんばれ!ベアーズ』はとにかく最高の映画なのですが、それに似ていてかつ超えるような部分もあり驚きました。英語の字幕をつけてドキュメンタリー映画にすれば、どこかの映画祭にでも出展できるレベルだと思いました。

再放送の再放送だったので、次見られる機会があるかは分かりませんが…。とにかく印象的だったので、感想を書きました。