日本における移民問題の議論は、大きく分けて「2+1」個の類型があるかなと思っています。以下、メモ程度に分けて書きます。
1.移民反対論
1-1.原理的(保守的)移民反対論
主張「日本の伝統文化が崩壊する。日本の伝統・規律を理解しない外国人が増えると、日本文化が保持されなくなる。その過程で犯罪が増える可能性もある。」
1-2.(*)リフレ派的移民反対論
主張「今の日本経済は完全雇用に向かっている途中だ。この過程で安い賃金で雇える移民を受け入れると、雇用の調整弁になってしまう。移民受け入れによって人手不足状況が緩和してしまうと、完全雇用の達成が遅れ、賃金上昇+緩やかなインフレは起こらず、経済成長は達成されないだろう。」
ちなみに、経団連的移民賛成論に反論する意味合いもありそうだと思う。
金子洋一・前参議院議員(神奈川県選出) (@Y_Kaneko) | Twitter のツイートを参考に、こういう感じかなとまとめました。
2.移民賛成論
2-1.多文化主義的移民賛成論
主張「日本も世界の趨勢に倣って移民を多く受け入れ、多文化主義を目指すべきである。」
2-2.経団連的移民賛成論
主張「日本は人口減少しており、生産年齢人口が減っている。人手不足状況も続いている。移民を受け入れ、働いてもらうべきだ。」
3.(*)「日本はすでに移民社会だ」論、「隠れ移民大国」論
主張「技能実習生制度その他によって、日本には既に多くの外国人が居住している。250万人を越えて過去最高だ。『移民を受け入れよう、いや反対だ』という二者択一の議論は既に効力を失っている。現実を見て、実際に住んでいる外国人の状況を見るべきだ。」
ちなみに、「現実を受け入れて方策を考えよう」という姿勢は、多文化主義的移民賛成論に接続しうると思う。
隠れ移民大国ニッポン | 隠れ移民大国ニッポン | 週刊東洋経済プラス | 経済メディアのプラス価値
外国人が支える日本 外国人”依存”ニッポン|NHKオンライン
を参照。
以上、そこまで綺麗に分けられてもいない気もしますが・・・。個人的には、(*)に関する議論は興味深いと思っています。説得力ある。対話が進めばいいかなと思います。