(2009.イギリス)
監督はケン・ローチ。
あらすじ
中年のダメダメおやじがエリック・カントナ(本人!)のアドバイスによって人生の大逆転を起こすというストーリー。
主人公のエリックはマンチェスター・ユナイテッドの大ファン。そんな彼は仕事も私生活もうまくいっていない。バツ2だし、家にいる息子たちは全く言うことを聞かない。
そんな彼は毎晩、「サッカーの神様」と崇めるエリック・カントナのポスターに語りかける。エリック・カントナとは、元マンチェスター・ユナイテッドの選手でキャプテンであり、元フランス代表のスーパースターです。
これが泣けるんです。カントナのセリフがじ〜んとくる。
カントナのアドバイスに勇気を得たエリックは、人生の大逆転に向けて大一番を演じる…。
行くぞカントナ軍団!
この映画、ジャンルとしては基本的にコメディで、大いに笑えます。クライマックスのカントナ軍団なんか、もう最高にスカッとしました。
ただ、実はけっこう社会派で深いテーマが描かれていました。
恐怖のあまり父になれなかった主人公エリック。そんな彼はオヤジになってからではありますが、なんとか少しだけ成長していく。それが感動するんですね。すごくリアルで。
なんとなくですが、イギリス映画ってボンクラが多く出てくるような気がします。『ショーン・オブ・ザ・デッド』とそれに連なるシリーズとか。
それはたぶん、イギリスという国の雰囲気がそうさせているのでしょう。アメリカ映画ではこの雰囲気はなかなか出ないというか。イギリス映画ってこういう等身大の映画で秀作なものが多い印象です。
あと、サッカーが人々の生活にどれだけ根付いているかが見ていて面白いです。普段の生活、深いところにサッカーがあって、欠かせないものなんですね。
この映画は「サッカー映画」というよりは、「サッカーが好きで好きでたまらない人たち」の映画です。だから多くの人が共感できるのではないでしょうか。
サッカー好きな方には観てほしい映画です。めちゃくちゃ燃えます。