Hooney Got His Pen

映画の感想と勉強日記

思考の整理学

 

 

 外山滋比古『思考の整理学』を読んだ。帯には、東大京大でもっとも売れた本、150万部突破とか、威勢のいいことが書かれている。持っていたが、読んではなかった。東京の本屋でたまたま見つけて、読んでみようとふと思い、新しく購入した。

 一読、これはたしかに名著だと思った。非常にシンプルかつメッセージが力強い。僕が実践していることともかなり共通している。この方向性でいいのだなと思った。

 「夜はよく寝て、朝スッキリした頭で考えろ」ということが言われている。頭を整理しろと。そのためには「忘却」も必要不可欠で、むしろ忘却こそが知的生産には大切なのだと書かれている。それはその通りだと思う。レム睡眠のときに頭のなかの知識が整理されて、いい感じに調合される。だから、発明家には朝思いついたひとが多いのだという。

 そうなんだよね。朝やればいい。夜やるのは本当によくない。それはそう思う。

 こういうシンプルかつ明確なメッセージに貫かれているので、これほど多くの読者を引き付けてきたのだろう。外山滋比古という人の専門は知らないし、正直言うと、専門の本を読もうとも思わない。でも、こういうハウツウ本は読む。そういう読者が多いと思う。

 それは不幸なのか。分からない。だが、この本はこれならも読みつがれるべきシンプルな原則、真理のようなものが書かれているので、古典であり、名著だと思う。古典を書けたのなら、この著者は幸せなのだろう。