Hooney Got His Pen

映画の感想と勉強日記

おおかみこどもの雨と雪(2012年、細田守監督)

【映画短評】

この映画は寓話である。「おおかみ人間」という設定は、社会の中でマイノリティーであることを象徴している。

 

僕は、途中から息苦しくなってうまく見れなかった。けっこうエグい話だとおもう。こんな映画が広く受け入れられたというのは正直、すこし驚いた。手放しに感動!とはならない。

 

一応言っておくが、「おおかみ人間」を受け入れない社会が悪い。

クライマックスで、雪の理解者(人間)がやっと、ひとりだけ現れる。雪は泣くほど嬉しくなっているが、受け入れられただけで泣かせてはだめなのだ。「ケモノ臭い」などと言われ、それまでどれほど辛かったのだろうか。

人間の姿をしていても、たまにおおかみの姿をしていても、誰にも咎められない(間違っても、ゴミ回収車に遺体を持って行かれない!)社会。アニメであれば、そういう理想的な社会を描いてくれてもよかったんじゃないかな。ちょっと辛すぎる。何も解決してないから。


河童のクゥと夏休み』を観た時にも思ったけど、「全くのフィクション要素は一部だけで他は全てリアルな描写」という映画をアニメでやるというのは斬新だし、凄いとはおもう。でも、ちょっと辛すぎる…。救いがもうちょっとほしいし、これならハッピーなだけのアニメを観たいとか思ってしまった…。