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映画の感想と勉強日記

【メモ】釜ヶ崎に関する記事

神戸新聞NEXT|総合|釜ケ崎で何が? あいりん総合センター閉鎖の背景

 

大阪市西成区の日雇い労働者の町・釜ケ崎で3月末、シンボル的な複合施設「あいりん総合センター」が建て替えのため閉鎖された。閉鎖に抵抗し、座り込みを続けていた労働者や支援者は4月24日、行政や警察により排除されたが、抗議活動は今も続いている。一体、この町で何が起きているのか。都市社会地理学が専門で、釜ケ崎の研究書「叫びの都市」の著者である原口剛・神戸大准教授(43)に聞いた。(田中真治)

 

-西成の「特区構想」ですね。

 「恐らくニューヨークが発案の手本です。公園などの公共空間の運営を企業に委ね、スラム地区に資本を呼び込むことで『都市再生』のモデルとなった。釜ケ崎の周辺では、天王寺公園が1990年に有料化され、野宿者が追いやられました。その後、あべのハルカスなどの大型商業施設ができ、星野リゾートの都市観光ホテルも建設が進む。この『ジェントリフィケーション』といわれる動きが、大阪の南の玄関口にあたる釜ケ崎に押し寄せているとみています」

 -ジェントリフィケーションを「富裕化」と訳されていますね。

 「この用語には、英国の地主層(ジェントリ)が農地を所有し、農民が追い出された『囲い込み』のニュアンスがあり、ポジティブな『都市再生』という言葉からは見えない、貧しい人の排除という本質を浮かび上がらせます。都市の自然な新陳代謝なのか、政治経済的な力関係によるものなのか、認識が問われています」

釜ヶ崎」という言葉を使うか、「あいりん地区」という言葉を使うか。さらには「ジェントリフィケーション」という概念を現在の状況に使うかどうかなど、論争的な面は多いが、基本的には原口氏の現状認識に同意する。