Hooney Got His Pen

映画の感想と勉強日記

ベイブ

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1995年、脚本はジョージ・ミラー。続編では監督も担当している。もちろん、あの『マッドマックス』シリーズの監督である。天才だとおもう。本気で。

子ブタのベイブを主人公にした、ハートウォーミングな映画だった。

物語は、農場主のおじいさんとベイブの出会いから始まる。ベイブは、出荷を待つ「普通の豚」であったが、ひょんなことからおじいさんに飼われることになり農場にやってくる。

その農場には様々な動物がいた。おしゃべりなアヒル、牧羊犬の夫婦、その牧羊犬敵対するヒツジの群れ、意地悪なネコ…。動物たちは縄張り意識が強くどこか敵対し合っているが、純粋で疑うことを知らないベイブはそんな動物たちの間に入って皆を変えていく。

変わるのは、動物だけじゃない。初め、「ご主人」のおじいさんはベイブを太らせてハムやソーセージにしようと考えていた。しかし、あることをきっかけにベイブが「普通の豚」ではないと気づいたおじいさんは、ベイブを「牧羊豚」として育てて牧羊犬コンテストへ出場する。

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子どもの映画か?
このように書くと、いかにも子供じみた映画のように思えるがそれだけではない。(もちろん、子どもの頃に見たら教育的な効果はかなりあるとおもう。)

差別や偏見を努力によって乗り越えて、周囲を変えていくブタの成長物語なのだ。他の動物たちからは「豚だからバカだろう」という偏見を持たれているが、ベイブは違った。

「なんで豚だからダメなの?」と素朴に問うベイブに、他の動物は答えられない。
そして、その偏見を乗り越える。

「ぼくだってできるんだぞ。」

牧羊犬コンテストに出場するクライマックスは、この上なく痛快で感動を与える。

またこの映画は感動だけでなく、人間が動物を食べて生きていることの残酷さをも伝える。こんなに心が暖まって感動する映画なのに、である。

物語としての感動と、現実の厳しさを教えてくれる素晴らしい映画である。