Hooney Got His Pen

映画の感想と勉強日記

僕のオススメ映画15選

①旅

ライフ・アクアティック』(2005、アメリカ)
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ウェス・アンダーソンの映画はどれも面白いし、昨年の『グランド・ブタペスト・ホテル』も本当に素晴らしいが、僕はこれを推したい。オフビート演出にぴったりはまったビル・マーレイには終始笑ってしまうが、その稀有な存在感だけで映画になるという不思議。

 

ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』(2006、アメリカ)
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フェイクドキュメンタリーと言うか、どっきりカメラのような映画。カザフスタンから来たレポーターという設定で、アメリカを旅するうちに、アメリカの“暗部”がはっきりと映し出される。アメリカ人の偏見や差別的なまなざしが、続々とあぶりだされるのだ。アメリカを徹底的に「嗤う」コメディ・ドキュメンタリーである。

 

②青春

『サニー 永遠の仲間たち』(2011、韓国)
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女の子たちの瑞々しい青春。それが可愛らしくて、おかしくて。こんなにストレートに青春時代を描く(描ける)映画はそうそうない。青春の気恥ずかしさ、甘酸っぱさも含めて描ききっている。日本映画に食傷気味だった時期に、この韓国映画は久しぶりに映画の力を感じさせてくれました。

 

『スーパーバッド 童貞ウォーズ』(2007、アメリカ)
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日本ではそれほど知られていないが、アメリカの同世代は全員観たことがあるという必須の一本。高校生活最後のパーティで童貞を捨てるために、バカな男子高校生3人組が奮闘するという話だが、これが意外にも泣かせるのである。もちろんコメディ映画だから笑いながら観ていると、最後にほろっとさせるのである。青春、あるいは成長の痛みを描いた素晴らしいアメリカ学園映画である。

 

桐島、部活やめるってよ』(2012年、日本)
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ここ10年で、もっとも重要な日本映画のひとつ。そのキャッチ―なタイトルからパロディにされる場面をよく見るが、間違いなく日本映画史にその名が刻まれた一本である。舞台は高校だが、おそらく高校生が観ても映画の意味を真に理解することはできないだろう。大学生くらいになって、高校生活を相対化してみて初めて、ようやくその意味が少し分かるという程度である。本作は様々な評論がでているので、原作と併せて参照されたい。

③日常

『6歳のボクが、大人になるまで。』(2014、アメリカ)
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惜しくもアカデミー作品賞を逃したものの、本作の価値は全く揺るぐことはない。主人公の少年が6歳の時に撮影が始まり、それ以後毎年夏に集まり少しずつ撮り貯めていく。そして18歳になって大学に入学するところで物語は終わる。登場人物たちが12年間の撮影の間に、実際に身体的にも精神的にもどんどん変化を見せていくのだ。奇跡のような映画である。リチャード・リンクレイター監督、ありがとう!

 

④セリフ

スカーフェイス』(1983、アメリカ)
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“Say hello to my little friend!!” -アル・パチーノ演じる主人公、トニ・モンタナのセリフ。物語のすべてが、このセリフに見事に集約されている。このセリフとクライマックスの銃撃戦で頭をガツンとやられてしまい、その後何日かは映画を観れませんでした。

⑤料理

『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』(2014、アメリカ)

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三ツ星レストランに勤めていた看板シェフが、ある事件をきっかけに店を飛び出して自力でフードトラックを始めることに。フードトラックとは、日本でいう「屋台」みたいなもんです。そんなシェフが全米を横断しながら、各地の料理を次々に作っていくのだが、これがめちゃくちゃおいしそうなのである。空腹時には観ないように。

⑥男

ファイトクラブ』(1999、アメリカ)
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ブラッド・ピットが格好良すぎる。そして、エドワード・ノートンもめちゃくちゃ格好いい。去勢された現代の男たちへ告ぐ、男は黙って殴り合え!IKEAの家具なんか全部燃やしてしまえ!裸になれ!痛みを感じろ!血を出せ!さあ、復讐だ…!

 

『トラック野郎』シリーズ(1975年~79年、日本)
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監督の鈴木則文さんと、主演の菅原文太さんが去年亡くなり、共演した愛川欣也さんも今年亡くなった。相次ぐ訃報のなか、このシリーズの一本を観る機会があった。驚くほど面白かった。腹を抱えて笑えて、男の義理人情に泣かされ、最後のトラック爆走にはハラハラドキドキさせられる。僕が映画に求めるもの、すべてが詰まっていた。今こそ観るべし。

 

⑦女

監督失格』(2011、日本 ドキュメンタリー)
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鬼才と言われたAV監督・平野勝之と、稀代のAV女優・林由美香の出会い。二人はやがて、「不倫旅行」に出かける。自転車で東京から北海道へ。過酷を極めたその旅の記録は映画化され評判を呼ぶ。そして、平野と林由美香との別れは唐突に訪れる。悲劇的な別れは、平野にかつてない喪失感を与えた。人が生き、出会い、そして死に、別れることとはなにか。そして、愛とは何か。深く考えさせられ、観てる観客までもが慟哭してしまう傑作(という言葉では済まされないような、あまりに凄まじい)ドキュメンタリー。

 

(500)日のサマー』(2009、アメリカ)
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ストーリーだけみると、非常に単純なボーイミーツガールの映画だが、その形式において本作は非常にユニークである。恋愛映画に、これほどテクニックを使ったものはかつてあっただろうか。そして、ヒロインのサマー役のズーイ・デシャネルがとにかく可愛い。彼女を見るだけでも価値のある映画である。

 

⑧暴力

『ヒーローショー』(2010、日本)
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暴力は連鎖していく、それも増幅された形で。つまらない揉め事は『アウトレイジ』のように暴力団同士の抗争にもなれば、本作のようにチンピラ同士の殺し合いにも発展する。それはチンケで、みっともないものであるが、暴力というものの真の姿でもある。暴力の本質を徹底的に描く本作は、真の意味で怖い映画だといえる。

 

⑨ドキュメンタリー

アクト・オブ・キリング』(2012、デンマーク/ノルウェー/イギリス)
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これ以上のドキュメンタリー映画は観たことがないし、もう出会うこともないだろう。いや、このような映画は二度と撮ってはならないのだ。このような事件を起こしてはならないし、我々は永遠に記憶せねばならない。人類の悲劇の歴史として刻まれるべきものである。

 

『劇場版 テレクラ・キャノンボール2013』(2014、日本)
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去年の日本映画で、もっとも話題をかっさらったのは、AV監督たちがナンパ・ハメ撮りバトルを繰り広げる本作であった。「どれだけ早く口説いて、セックスにまでもちこめるか?」-ただそれだけのバトルが、ここまで熱いものになろうとは。バカバカしいかもしれないが、バカバカしいものを全力でやるとカッコいい。観るか観ないかの人生なら、僕は観る方を選びます。