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Hooney Got His Pen

映画の感想と勉強日記

アレクセイ・ゲルマン『神々のたそがれ』

映画 SF
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百年にわたる憤怒が生みだした人間性への徹底的懐疑は、恐ろしくも目を離せない壮絶な美に輝いている。(柳下毅一郎・映画評論家)
http://digital.asahi.com/sp/articles/DA3S11674177.html


上映は、2015.3/21〜各地で。


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大阪は九条にある「シネ・ヌーヴォ」にて。関西ではまだこの映画館でしか上映しておらず、ここに行くしかなかった。といっても、家から自転車で行ける範囲だったので助かった。雰囲気のある映画館で、一般的にミニシアターと言われる映画館だと思うが、十分大きなスクリーンで満足。座席の角度が良いのか、座席の位置が良かったのか、とても見やすかった。
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地球に似た惑星を描くSF映画
話題作『神々のたそがれ』は、汚泥と糞尿にまみれた異世界の"野蛮人"を描くSF映画。
地球に似た惑星だが、地球とは違った形で進化(退化?)した惑星である。そこに地球人30人が送られるが…。地球人は政治に介入することを許されておらず、ただただ非力であり、なす術を持たない。
SFと言うけれど、飛び道具は一切出てこない。というか、描かれるのは中世のような世界で、しかもルネサンスが起こらなかった中世である。そこでは知識人は疎まれるばかりか、教養のある者はみな徹底的に弾圧され殺されている。奴隷制はもちろん残存し、奴隷はグヘヘと笑いながらその立場に安住する。
主人公はその様子を尻目に、神と崇められながらも無力である。彼らを横目に、「神でいることはつらい」とこぼす。そして、クライマックスでは狂気の大殺戮が行われる。圧巻でした。

画面、音
見たことのない映像で全てが構成されていて、3時間の上映時間も全く飽きない。臭いの立ち込めてくるような映像と、謎の音楽(?)にワクワクした。 

難解な映画か?
難解と言われるけれど、そもそもはっきりとした一本線の話の筋など無い。というか、そんなもの必要ではないのだろう。分かりやすいものに、あまりにも浸かりすぎたのかもしれない。

感覚をフル稼働
この映画は身体全体で感じればよい。視覚聴覚はもちろん、嗅覚も必要とされるのだ。泥と糞尿の混ざった沼のような地面、虫の入ったドロドロの食べ物、それをグチャグチャと喰らい吐き出し、顔中に泥を塗りたくる…。雨は小降りがずっと続き、雨でなければ濃い霧が辺りを覆う。湿気と臭気にまみれている。
そんな臭いの立ち込めてくる映像を嗅いでみれば、その"惑星"のヌメッとしたグチョグチョの空気が感じられるだろう。



本作は多くの著名人が賞賛しているので、パンフレットを購入してそれら評論をまた確認したい。人の意見や感想を聞きたくなる映画です。それぞれの映画体験が必ずあるはずなので。

そして、内容的にどうといった関係はないけれど、観賞後感はホドロフスキーの映画を観たあとのようでした。

↓予告編の謳い文句↓
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めちゃくちゃ挑発してる。この映画を観てしまうとほとんどの映画は遊びなんじゃないかと思ってしまう。遊びも大好きなんだけど。