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Hooney Got His Pen

映画の感想と勉強日記

イミテーション・ゲーム(2015)

アカデミー賞 映画 オススメ

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誰も想像しない人が想像できない偉業をやってのける

―劇中のセリフより。

 

主演のベネディクト・カンバーバッチ、助演のキーラ・ナイトレイアカデミー賞にノミネート。そして、脚本のグレアム・ムーアがアカデミー脚色賞を受賞した。

 

時は、第二次世界大戦中のイギリス。ドイツとの厳しい戦いが強いられる中で、ドイツ軍の暗号<エニグマ>を解読する必要に迫られる。しかし、この暗号がやっかいでどうしても解けないのだ。

そこに集められるのが、主人公の<天才数学者>アラン・チューリングベネディクト・カンバーバッチ)。他にもチェスのチャンピオンや優秀な数学者などが集められ、彼らとチームを組むよう上司に言われる。が、チューリングは自身が一番優秀だと自覚しており、他人と協力する必要などない、自分で<マシーン>を作って暗号を解読するのだと譲らない。果てには、チャーチル首相に手紙を書いて自分の意見を通してしまう。そして、首相のチャーチル自らキャプテンに任命されたチューリングは、無能のメンバーをクビにして新たなメンバーの発掘を試みる。

チューリングの考案した試験を受けにくるのが、キーラ・ナイトレイである。

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綺麗だなあ。

キーラ・ナイトレイがメンバーに加わってから、物語が動き出す。

チューリング自身も<マシーン>の開発のためには人力が必要だと感じ始め、他のメンバーにも頼むことになる。果たして、<マシーン>の開発のためにチームは一丸となれるのか。そもそもチューリングはメンバーと協力できるのか。

「孤高の天才」を描く物語だが

「周囲とうまくやれない、ぶつかる、孤高の天才」を描く映画って多いと思う。たとえば、デビッド・フィンチャー監督がFacebookの創始者であるマーク・ザッカーバーグを描いたソーシャル・ネットワークという映画があった。天才、周囲に理解されない、一匹狼、傲慢、他人とうまくコミュニケーションがとれない・・・。これらの要素は二作に共通して描かれている。『ソーシャル・ネットワーク』では、主人公は周囲とは結局うまくやれないし、最終的には一番の友達を失う。(彼女も失っており、その寂しさや見返したいという気持ちから、彼は最大のSNSを作ったという皮肉だが。『ソーシャル・ネットワーク』は大好きな映画で何度も見ましたが、あくまで比較対象として。)

しかし、この『イミテーション・ゲーム』は「よくあるような天才を描いた映画」とは少し違う。チームとしてなかなかうまくいかないし、そんなに分かりやすく変わるわけでもないのだけれど、抑えたタッチの中で少しずつチームが機能していく。さながらスポーツ映画のように。そこで重要なのが、キーラ・ナイトレイの立ち位置である。当時のイギリスはがちがちの男尊女卑で、キーラ・ナイトレイは仕事をやめて地元に戻り嫁がされそうになるが、チューリングがプロポーズをし、自分のそばにいてほしい、一緒に暗号を解読してほしいと言う。この辺はとてもロマンチックで、感動的で幸福なシーンである。

とにかく、よくあるような「天才を描いた映画」ではなくて、かなり見ごたえのある映画なんです。脚本がいいのでしょう。アカデミー賞も納得。

言葉を失うような悲劇、切ない・・・

この映画、というかアラン・チューリングの人生が、言葉にならないほど悲劇的である。にわかには信じがたい。主人公の境遇があまりにも切ないのだ。戦後、アラン・チューリングの境遇は悲劇にまみれていくが、彼には”当時としては重大な秘密”があった。これは、ネタバレになるのでご自分で確認してみてください!

 

今回は以上です。では、最後に映画監督の松江哲明さんのコメントを引いておきます。

 

未来を知るには過去と向き合わなければいけない。
本作が描く悲劇には今を生きるヒントがある。
天才的な脚本の根底にあるのは怒りと哀しみなのかもしれない。

松江哲明さん(ドキュメンタリー監督)

 

 

imitationgame.gaga.ne.jp

 

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