Hooney Got His Pen

映画の感想と勉強日記

サラエボの花(2006年、ボスニア・ヘルツェゴビナ、オーストリア、ドイツ、クロアチア)

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12歳の娘サラ(ルナ・ミヨヴィッチ)とつましく暮らすエスマ(ミリャナ・カラノヴィッチ)は、修学旅行を楽しみにするサラのため旅費の調達に奔走している。そんな中、戦死者の遺児は修学旅行費が免除されると知ったサラは、戦死したと聞かされていた父親の戦死証明書を学校へ提出するようエスマに提案するが……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

 

本作は、2006年ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞した。

舞台はボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボ
民族浄化」の名の下に行われたボスニア内戦の傷跡はまだ癒えていない。
そんなサラエボに住む母娘の物語である。

 

まず、この娘役の女優が素晴らしい。

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男勝りで負けん気の強い女の子に見える一方で、可愛い一面もあり非常に魅力的だ。

この映画を見たのは、2011年7月24日のBS日テレ「プレシャスタイム」の放送である。「BSで映画をやっているな」と思い、録画をしてから観た。

前情報一切なしで、適当に見始めた。12歳の娘サラ(ルナ・ミヨヴィッチ)が魅力的で、吸い込まれるような目をしている。なんか不思議な子だなと引き込まれた。



内容を明かすと、物語の核心に触れてしまうので割愛する。何も知らずに見た方がいいと思うので。

一つ言えるのは、ボスニア内戦でこのようなことが行われ、多くの悲劇が生まれてしまったことは衝撃的であったということだ。

公式サイトには、ボスニア・ヘルツェゴビナ出身のイビチャ・オシムの言葉が掲載されていた。その引用で締めたい。

映画“グルバヴィッツァ”(邦題“サラエボの花”)は、出来るだけ多くの方に観て頂きたい映画だ。この映画は、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ全域、首都サラエボ、そしてサラエボの一角、グルバヴィッツァで20世紀、人類として恥じるべき、また運命的な悲劇が繰り広げられた物語を語るなかで、人類は二度と決してこのような悲劇をいっときも、如何なる場所においても繰り返してはならないというメッセージを発している。・・・

グルバヴィッツァはいつの時代でも、慈愛深い人、スポーツ選手、インテリといった偉大な人々を生み出して来たが、他の場所からやってきた野蛮な悪人たちによって汚され、服従されようとされてしまった。しかし、この先もグルバヴィッツァの精神は生き続けるだろう。グルバヴィッツァとそこに生き続ける精神はそう生易しくかき消されることはない。

ヴィッツア・オシム(サッカー日本代表監督)
2007年11月13日 東京にて