スポーツ店を経営するコーチ・カーターは高校時代、伝説のバスケット・ボール選手だった。ある日、カーターは母校のコーチとなる。しかし、そのチームは負けてばかりで生活態度もよくない、最悪のチームだった。
(シネマトゥデイより)
高校を舞台にしたバスケ映画である。基本的には。
まず、スポーツ映画としての肝心のスポーツシーンの迫力。俳優たちは実際にバスケをプレイしている。ダンクもバンバン出るし、スリーポイントも実際に決めている。
実際にバスケをやっているのはかなり重要である。日本のスポーツ映画、某ブザービートドラマで冷めてしまうのはこの点である。CG丸出しの映像だと、どうも気分が乗れないのだ。一応バスケ経験者でNBAもよく見るので、シュートフォームがどうだとか、このドルブルでは抜けないとかいちいち気になるのだ。
『コーチ・カーター』はバスケシーンのクオリティだけで、この映画を観れると言っても過言ではない。
そして、この映画(実話)の凄さはスポーツだけにあるのではない。
コーチ・カーター(サミュエル・L・ジャクソン)が就任し、快進撃を始めたリッチモンド高校。部員たちは、自分はバスケのプロになれるだろうと思って勉強をサボる。
でも、そんなことサミュエル・L・ジャクソンが黙っているはずもない。なんと、テストで合格点を取るまでバスケをさせないという強硬手段に出たのだ。
ここからがこの映画の見せ場である。コーチ・カーターのスピーチは本当に感動的なので、実際に確認されたい。
ところで、劇中のリッチモンド高校というのは、アメリカでも有数の治安の悪い地域にある。そんな環境のなかでは、高校を卒業しても 麻薬の売人になるか、はまたまギャングにでもなるかしかない。
環境のまま、状況のせいにして堕ちていくのか?
それとも、抗っていくのか?
本当に感動的な映画で、実話であることに驚かされた。